第330号 ご卒業おめでとうございます
3月4日は本校第77回卒業証書授与式。前日の降雪により天気と道路状況が心配されましたが、式の開始の午後1時までは何とか天気も持ち(寒かったですが。屋外の受付の先生方、長時間ご苦労様でした)、無事開始を迎えることができました。式の始まった頃から松本も雪が降り始め、帰路にご不便をなされた保護者の方もあったかと存じますが、ご参列本当にありがとうございました。そして3年間の学校へのご支援ご協力につきまして、心より感謝申し上げます。

他の卒業式の写真収集が間に合っておりませんので、後日写真を続掲いたします。あらためてご訪問ください。
ご来賓としてご祝辞をいただいた、竹本同窓会副会長、渡辺PTA会長におかれましては、温かなお言葉をありがとうございました。深志高校での3年間の築き・気づきこそ、今後の人生につながることや、3年間の成長を見届けてきたご家族の思いが伝わって参りました。また、在校生代表でご挨拶いただいた生徒会長伊東さんは、先輩たちへの思いやこれからの決意を語っていただき、卒業生代表のご挨拶をいただいた元生徒会長の中戸川さんは、深志高校でのファシリテーターとしてのやりがいや、時には苦しかったことを、声を詰まらせながらお話しいただきました。予定通り1時間10分の式でしたが、とても感動的な式になったのではないかと思います。
主人公は3年生の皆さんですが、それを見つめていた在校生の皆さんは何を感じたでしょうか。式中で語られる言葉を自分ごととして受けとめ、自分に置き換えながら考えていただけると嬉しいなぁ、と感じました。なお、卒業記念品としていただきました除雪機は、翌朝から早速活躍することとなりました。
【1・2年合同 令和6年度探究成果発表会】
3月5日(水)午前中、小体育館と講堂にわかれ、1・2年生合同による探究成果発表会が実施されました。4日午後からの雪の影響もあって、開始時刻を30分遅らせましたが、午後の授業にはほとんど影響せずに実施することができました。準備にあたられた、そして早朝より雪かきをして下さった生徒・職員の皆様に御礼申し上げます。
さて、発表会では、事前の相互発表の中で選ばれた2年生6つのグループ・個人の発表と、1年生2つのゲストプレゼンテーションが行われました。審査員には本校未来の学校アドバイザーの荒井英治郎先生(信州大学)、本校探究学習の地域コーディネーターをお願いしている宮木慧美さん(一般社団法人KOKO)、そして総合的な探究の時間でご助言をいただいてきた、小山雄聖さん(松本市住民自治局)、岩佐仙岳さん(塩尻市シビックイノベーション拠点スナバ)をお迎えし、校長・教頭が加わって6名による審査講評が行われました。どのチームも個性的で、ワクワク感、好き、興味関心があふれ出ていたことが印象に残っています。そしてここまで苦しんだ過程や、企業や社会と接点を持ったこと、達成したものは、きっと将来に向けて生きる力となるとともに、進路のヒントとなるに違いありません。考えたこと、感じたこと、時間のかかったこと、思い悩んだこと、この経験を残り1年の深志高校での生活に活かしていただきたいですし、将来の目標にもつなげていっていただきたいと感じました。今日の発表はたったの6組でしたが、探究活動の中で、多くの方がそうした経験をされてきたのではないでしょうか。また相互発表会から本日まで、仲間の発表を聞く中で、いろいろな刺激を受けたのではないでしょうか。これからの人生は、多分もがきながら課題解決をしなければならない連続です。斯く言う私の毎日もその連続です。この発表会に参加した1年生の皆さん、先輩方の発表はいかがでしたか。ぜひ様々な感想をアンケートに寄せてほしいと思いますし、新年度に向けての参考にしていただきたいと思います。


【プレゼンみ深志賞】「自動縄回し機を作ろう!」瀬戸絢音さん、原山あかりさん、武田睦美さん…松本工業高校とのコラボ企画。自分たちで外部との結びつきを形成し、試行錯誤を重ねていく過程を効果的にプレゼンしていただきました。途中でかなり悩み、目的を再度見直したり、方向性を修正したり、苦しんだ様子も表現されており、共感を与える発表だったと思います。
【主体み深志賞】「スタンディングデスクを深志に」内川和香さん、水野遥佳さん…ものづくりの発想、企画、企業との連携、効果測定を主体的に進め、フィードバックして今後の改善の方向性を探るという手法。自分たちの発想に基づき積極的に行動し、実現に向けて食らいついていく主体性に感動しました。
【知力み深志賞】「幼少期に紙の本を読むことによってもたらせる利点」山縣美月さん…読書量と幼少期の読書習慣の関連性を、先行研究を読み込み、様々なデータから相関性を分析するなど、仮説・調査・検証・考察のサイクルが形成されている研究でした。「想像力」について指標の一つとしていましたが、さらなる比較検証ができればとも感じました。
【社会み深志賞】「深志生による学校訪問~あーFAIR WINDみたいなことやってみたいな」大和田優一さん…FAIR WINDから刺激を受けて、自分でも中学校訪問の中で学校紹介を行うという実践例を分析していました。企画運営力は勿論ですが、来年以降生徒自身が自分の学校を中学生に紹介していくという施策を長野県教育委員会が打ち出しています。その先行例として、本校は勿論ですが、他校の皆さんに対しても参考事例になると思いました。「中学生への高校の発信力が弱いのではないか」、その出発点は長野県教育委員会と同様でした。
【独自み深志賞】「日本列島のグラフ化」関島良真さん…現代の伊能忠敬、座標上で物事をグラフとして図化していく独自性に私ははまりました。この発想は関島さんだからこそできたこと、仲間と協働する必要は無いかもしれません。でも今日の発表で、その発想にものすごく共感した人に会えるかもしれません。これからも自分の愛する「グラフによる図化」を徹底的に追究していってください。
【最優秀賞】「Z世代にスポーツ観戦の魅力を伝えたい~松本山雅を活性化させよう~」中澤逞さん、吉水優佳香さん、加藤大樹さん、橋本健太朗さん…まさに経営コンサルタントグループ。山雅の集客分析から課題を発見し、その対策方法を山雅に提案し、実行して成果と課題をつかむ、そしてその課題の改善策に取り組む。実際に企画を行って、その成果を分析し、新たな企画を立案するというPDCAサイクルが良く回されている探究であると感じました。
発表者と各賞を紹介しました。コメントはあくまでも私の個人的な感想で、審査員の皆さんのご意見をまとめたものではありません。寒かったけど、本当に楽しかったです。学校ってやっぱり楽しいところだと思いました。
