校長通信
ゆくて遥かに
校長通信

2024年10月21日

第315号 10月半ばの深志高校

 神無月に入っても連日夏日が続きました。と思ったら、昨日から今朝にかけて急な冷え込み。我が家では慌ててストーブの準備をする日曜日の夜でした。まだまだ寒暖差も大きい様子、生徒の皆さんの体調が気になります。3年生は受験に向かって努力の日々が続いていることと思います。一定の成果が表れ始めた人もいるかもしれませんが、大半の皆さんは思うようにならず、焦ったり、苛立ったりしているのではないでしょうか。でも、気ばかり焦ってもどうしようもありません。共通テストまで2ヶ月以上ありますので、一歩一歩着実に、自分にできる精一杯を試みてください。結果にとらわれたり、恐れたりするのではなく、目の前の取り組むべきことを一つ一つこなしていく、今はみんながそんな苦しい時期でもあると思うのです。そんな時期を乗り越えられるよう、応援をしております。

新体制の應援團管理委員会により、2週連続で壮行会が行われています。ダンス部、弓道部、女子バレーなど、県大会に進む皆さんですが、3年生にもエールを送りたい。がんばれ!

 1・2年生は新生徒会役員の選挙も終了し、新体制が発足します。先輩方からバトンタッチされたものを、しっかり引き継ぎ、そして来年度の活動に向けてブラッシュアップしていっていただきたいと思います。そうした中、2年生は今週23日~25日にかけて研修旅行が行われます。今年度の研修旅行は東京およびその周辺地域での研修です。23日(水)は13の大学・学部に分かれて訪問し、それぞれの大学・学部の研修プログラムに参加したり、構内見学や本校の卒業生との懇談等が企画されています。さらに翌日の24日(木)は12の分野・コースに分かれ、企業や研究所、関係省庁等を訪問し、活動内容のご説明をいただいたり、企業体験や座談会、こちらからの探究報告とそれに対するフィードバックなどの研修が予定されています。3日目は仲間とともに親交を深める企画が予定されているようですが、この研修旅行を通じ、多くの思い出をつくるとともに、将来の学び、キャリアに向けての意識を高め、今後の高校生活における学びのモチベーションの向上に結び付けていただきたいと願っております。

研修旅行パンフの表紙、2組礒江さんの作品です。この中に8つのクラスの担任の先生方の名前があります。大正時代のポスターとかチラシって、こんな感じでしたよね。
同じく、パンフの裏表紙のデザイン、2組宮嵜さんの作品。健康と事故には留意して、楽しい、思い出に残る研修旅行にしてきてください。

【学校訪問】

 全国の高校間では、それぞれの高校の特徴や強みを学ぼうと、お互いに学校訪問をして学び合う活動が行われています。本校からも6月に、探究キャリア教育部の3名の先生方が、広島県の広島国泰寺高校及び、安古市高校を訪問し、それぞれ個性的に行われている探究学習について学んで参りました。また、今年度後半においても、進路指導部の方で進学指導に関する学校視察を計画しております。

 一方、本校にも一昨年度以来、いくつかの学校や大学の研究室により訪問いただいておりますが、今年度はこれまでに4校の先生方がご来校くださいました。5月24日にご訪問いただいたのが、茨城県立竹園高校の先生方お二人です。つくば市にある竹園高校は茨城県の進学校の一つですが、進学指導を進める中で探究学習をどのように進展させていくのかという視点で、本校の様子をご覧いただきました。

 同様に8月30日にお二人の先生方がご訪問下さった秋田県立本荘高校も秋田県南部の由利本荘市にある進学校ですが、本校の探究学習の様子とともに、国公立大学に向けた進路指導の現況についてお尋ねになられました。一方、9月30日にご訪問いただいた鳥取県立倉吉東高校からは、お二人の生徒さんと引率の生徒会顧問の先生がご来校くださいました。今から50年ほど前に、一度倉吉東高校の方々がとんぼ祭にご来校下さり、本校のとんぼ祭を参考に、自校の文化祭の見直しを行われたそうです。その後、感染症の時代を経て、文化祭の在り方を再考するために、本校においでいただいたとのことです。また、感染症以前ではありましたが、倉吉東高校で「国際高校生フォーラム」が開催されていた折、本校からも毎年生徒と先生を派遣していましたので、ご縁のある学校です。短い放課後の時間ではありましたが、本校の生徒会新役員と倉吉東高校の生徒さん方は、すぐに打ち解け、互いに情報を交換し、様々な学びを得たようでした。

 10月18日には高山市の岐阜県立斐太高校より、校長先生、渉外係の先生及び、PTAの皆様(斐太高校では育友会と呼ばれている)総勢20名が、PTA研修の一環としてご来校くださいました。斐太高校と言えば、138年の歴史の中で伝統的に「白線流し」が行われてきた学校です。「白線流し」と言えば、1996年に長瀬智也、酒井美紀主演で松本を舞台に制作されたドラマを覚えていらっしゃる方も少なくないと思います。松商学園の校舎や上高地線、深志神社、女鳥羽川沿いなどでロケが行われ、私も東京の友人たちを案内し、今でいうロケ地巡礼をしたのを覚えています。主題歌だったスピッツの「空も飛べるはず」をつい口ずさんでしまう方も少なくないのではないでしょうか。視察では校舎や授業の様子を一部ご覧いただくとともに、本校のPTA活動と進路指導や探究学習、生徒支援に関して、様々なおたずねをいただきました。ご質問を受け、お話をうかがう中で、こちらが学ぶことも少なくありません。特に斐太高校ではPTAの研修として学校視察を継続させている点に驚きました。本校PTAにも研修委員会が設けられ、かつては視察や講演会などが行われていましたが、皆様の多忙化や役員の負担軽減の中で行事が割愛されるようになって久しくなります。一方、斐太高校の育友会の皆様は、保護者として校則の在り方をどう捉えるべきか、自由が授業にどのように影響するか、いかに子供たちを自立させていくかなど、視察を通じて学び取ろうとする姿がありました。皆さんの熱心な姿に、帰りのバスの皆さんをいつまでも手を振って見送りました。グランドではソフトボールみたいでソフトボールではない、楽しそうな球技が体育の授業で行われており、一行を見送った後、しばらく見入ってルールを解明しようとしていました。スポーツの秋、芸術の秋、読書の秋です。

芸術の秋と言えば、10月19日にホクト文化会館において、今年度の県高校総合文化祭総合フェスティバルが開催され、本校からも音楽部室内楽班が県選抜オーケストラに参加し演奏を行いました。会場には今年度の全国総文(ぎふ総文)に県選出により出展された各部門の作品が展示されていましたが、その中でも息をのんだインパクト高い作品が、美術工芸部門に出展された本校3-6増田潤さんの作品「老眼と下顎の伸びの比例関係について」でした。絵の中のお二人は、増田さんにそっくり!