校長通信
ゆくて遥かに
校長通信

2024年7月22日

第306号 国際数学オリンピック速報

 第65回国際数学オリンピックがイギリスで開催され、本校2年生の狩野慧志さんが日本代表として参加していましたが、現地時間21日に表彰式と閉会式が行われました。

 結果は、個人総合世界第4位(各国代表610人参加中)で見事金メダルを受賞しました。(日本代表の中では1位、金メダルは54人が受賞。)また、日本チームは参加108カ国中14位となりました。狩野さんは昨年千葉で行われた日本大会では銀賞を受賞し、2年連続で出場となった今年は金賞の獲得を一つの目標としており、目標を達成したこととなります。心よりお祝いを申し上げたいと思います。おめでとうございました。狩野さんは今週帰国を予定していますが、どうぞ気を付けてお帰り下さい。

【探究ウィークスタート】

 今週は1学期最終週として、特編授業が組まれています。3年生は今週の特編と来週の補習により、スイッチを受験体制に切り替えてもらうことに目標があります。1・2年生はこの1週間を探究ウィークとして、どっぷりと探究につかることとなります。1年生は探究とは何かを探り、探究テーマの種を育て、将来につながる学びについて考えていきます。また、2年生はすでに動き出している探究活動について、やりたいテーマに取り組めているかを再確認し、どんどん探究サイクルを回して発展させるために、他者に伝える発表を試みたり、他校の生徒と交流する機会を持つことを計画しています。1日目の今日は、「卒業後の学びとつながる、今の学び」を一つのテーマとしておき、講演会や、探究活動の見通しをたてるためのワークショップなどが行われました。

本日行われた、1年生を対象とした東京大学工学部の加藤泰浩先生の、とても熱心な講演。東大での学びが将来と結びつくこと、世界と結びつくこと、今の自分の興味関心と結びついていることがとても良くわかりました。文系学部に入りながら工学部に転向する人が結構な事例で見られることも、斬新でした。次々と出される1年生の質問も途中で打ち切るほどでした。暑い講堂がさらにヒートアップしていました。汗びっしょりの加藤先生は、メディア向きの方でした。

 明日からは、1・2年生合同の発表会、社会の探究人を複数お呼びするワークショップ(1年)、松本県ケ丘高校との意見交換(2年)、データリサーチ・またはクリエイティブ分野の専門家による方法論講座(2年)、外に出ての企業・大学研修(1年)などが企画されています。ご協力いただきます地域の皆様、企業の皆様、県ケ丘高校の皆様には心より感謝申し上げます。

【第48回全国高等学校総合文化祭 岐阜大会 参加団体】

 次の団体が今年のぎふ総文に参加します。皆さんの活躍、ご健闘を祈念申し上げます。全国総文は、昨年の鹿児島大会が第47回で、すべての都道府県で開催し、今年度から2巡目がスタートします。

・器楽管弦楽部門弦楽合奏(長野県オーケストラ):音楽部室内楽班2年9名

・美術工芸部門絵画:アカシア会2年増田さん

・囲碁部門男子団体(長野県チーム):棋道部3年外舘さん

・将棋部門女子個人:棋道部2年髙橋さん

・小倉百人一首かるた部門団体(長野県チーム):競技かるた部3年向山さん

・文芸部門散文個人:文学部2年丸山さん

 全国高等学校総合文化祭は、コンクール・コンテスト形式の部門と、フェスティバル形式の部門があります。演劇や日本音楽、郷土芸能部門ではこの大会で優秀な成績を収めた学校が、8月に東京の国立劇場(今年から新国立劇場)で行われる東京公演に出場することとなりますので、上位入賞を目指して熱い戦いが繰り広げられます。囲碁、将棋、かるたなどの競技系もこの大会で日本一を目指しますし、弁論や新聞、写真部門もコンテスト形式となっています。美術工芸や書道、文芸などは、出品作品を決定する県内の大会はコンテスト形式ですが、全国大会は鑑賞と交流を重視しているといったところでしょうか。一方で合唱や吹奏楽、管弦楽は別のコンクールがありますので、総文祭は完全なフェスティバル形式となっています。しかしフェスティバルだからこそ、開催県の生徒が創造して手造りした大会が運営され、各県から選抜された代表もお国柄を意識しながら衣装も振り付けも選曲も工夫して、実に楽しく音楽が交歓されていきます。合同演奏や交流会も開催県の生徒が一生懸命考え、心のこもったおもてなしがなされる、コンクールでは味わえない、ワクワクした時間が経過していきます。まさに探究的な取り組みではないでしょうか。昨年の鹿児島大会の合唱部門で、長野県から参加した南信高校選抜合唱団の発表がSNS等で少し話題となりました。南信選抜は8分という制限時間の中で、鹿児島知覧を、そして世界各地の紛争を意識した選曲を行い、曲のつなぎに高校生たちの平和への祈りの言葉や「きけ わだつみの声」の手記を織り込みながら歌唱し、会場の大勢の方々の涙を誘ったのだそうです。こうした高校生の創造的で探究的な取り組みが、芸術・文化の祭典である高校総合文化祭で継続してくれればと、心から願っています。