第282号 本校の防災対応に関して
1月1日に発生しました能登半島での地震に関しましては、日々のニュースにおいて被害の甚大さが伝えられ、皆さま心を痛めていらっしゃることかと存じます。被災された皆様にあらためて心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早く安心した生活が送れるようになりますことを、心よりお祈り申し上げております。中信地区も全国の中では直下型地震の発生確率が高い部類に予測されており、いつまた私たちの身に災害が襲ってくるか、ご心配されている方も多いかと存じます。日頃の備えの大切さをあらためて思い知らされているところです。
本校では、昨年度より地域交流委員会及び放送愛好会の皆さんによる学校及び県への働きかけを通じ、徐々に災害対応を強化してきたところです。その状況につきましては4月のPTA総会においてご説明させていただくとともに、本通信の249号にも掲載させていただきました。本号では大きな地震が発生した場合の対応について、説明をさせていただきたいと存じます。なお、大雪・大雨の際は事前の予報、JRの運行計画、当日早朝の交通状況等の情報を収集し、市内の高校と連携を図りつつ休校あるいは下校が必要であると判断した場合は、生徒・保護者の皆様には早急に連絡を申し上げたいと存じます。
【本校校舎の耐震性について】
本校には旧耐震基準により建築された建物が3つあります。第1棟と講堂、図書館です。この3つの建物に関しては平成19年度に耐震診断が実施され、第1棟に関しては耐震基準をクリアしていることが確認されました。しかし、講堂と図書館については一部不十分との診断結果が下されましたので、平成26年度と平成29年度にそれぞれ耐震化工事を実施しています。
【生徒の留置きと備蓄品について】
本校の災害対応マニュアルでは、在校中に震度5強以上の地震が発生した場合、道路の損壊や公共交通機関のストップにより、かなりの生徒が帰宅困難になるだろうと想定しています。その際、帰宅については保護者への引き渡しか原則となりますが、生徒が保護者と連絡を取り合った上で安全確認ができれば、複数での帰宅も可能かと考えます。いずれの場合も保護者の方と生徒本人との連絡が必要となります。学校からも情報の一斉配信を行いますが、被害が甚大な場合はそれも通じなくなるかもしれません。SNSやメール、電話等が通じなくなってしまった場合、安否確認や帰宅方法の確認のためには「災害用伝言ダイヤル171」を使用していただくこととなります。この伝言ダイヤルの事前体験や、事前に家族で相談しておく内容に関する防災教育を、今年度の防災訓練の期間に実施しました。これらを家族の中で共有しておくことはいざという時の備えとして重要であると考えます。(10月に配布・配信した資料を再掲載いたします。)
また、生徒が留置きとなった際、災害当日は救援物資が来ることは考えられず、松本市からも当日に関しては自助ができる体制づくりを要請されています。そのため、昨年度秋に当時のPTA会長と相談し、保護者の皆様のご了解をいただいた上で、災害当日の食料として、各学年費よりご負担いただき、米粉クッキー3本入りパックと500mlの飲料水1本(7年間保存保障)を生徒全員分購入して備蓄をいたしました。3月には卒業生全員に1セットずつお持ち帰りいただき、4月の入学生にはあらためて全員分を一学年費を通じて購入、備蓄をしていただいています。また、同窓会の母校援助にお願いし、防寒シート50枚と、非常用の携帯トイレ108セットを備蓄しました。さらに、本校の地域交流委員会が教育長さんら県教委事務局に請願をした結果、全県の公立高校に防寒シートと非常用携帯トイレが配布され、本校にも生徒用として新たに防寒シート313枚、非常用携帯トイレ1044セットが昨年度末までに備蓄されました。果たしてこれでいざという時に間に合うのかどうか不安を抱えてはいますし、これからも見直しが必要であろうとは思われますが、これら備蓄品を用いて、留置きとなった生徒達には何とか災害当日を乗り切っていただく計画をしています。
本校は学校周辺の各町会の避難所となっており、町会の災害用備蓄品の専用倉庫も設置されています。地域交流委員会と町会の皆さんの間ではどのように避難所を開設していくのか、飲料水をどのように確保するのか等のマニュアルの検討が進められています。生徒が留置きとなった際に、保護者の皆さんとしてはどのように対応するのかなど、今後、生徒を含む学校とPTAとで検討していく機会が必要なのかもしれません。