第221号 信大連携ゼミ、深志教養ゼミが始まりました
9月17日(土)午前中、1年生を対象とした信大連携ゼミ、2年生を対象とした深志教養ゼミが開催されました。1年生の「信大連携ゼミ」は、本校が研究指定校となっている「県立高校【未来の学校】構築事業」の取り組みの一環として実施されているもので、信州大学教員及び院生を招聘し、ゼミ活動形態による連続講義を3時間×4回実施し、普段の教科学習を離れて、より専門的な知識と教養を学ぶ中で、他者との関係性の中で協調して課題解決を図る等、自分の興味関心を広げ、新たな自分に気づき、今後必要となるスキル(学びの方法)を身に着ける活動となることを期待して行われています。今回開講された講座は8講座あり、その内7講座は今回オンラインでガイダンスを中心として行われ、参加した1年生の皆さんはそれぞれ自宅や学校など都合の良い場所で受講をしました。
その中でJ講座については、学校で対面により行われました。その講座の具体的な内容としては、現代の医療現場について知見を広げるというもので、信州大学医学部の学生も参加します。17日のテーマは「地域包括ケアシステム」について。持続可能な地域医療をどのように展開していくかについて、講義の後グループに分かれて課題解決に向けての検討が進められました。
一方、2年生の「深志教養ゼミ」も「未来の学校」の取り組みのうちの一つではありますが、本校教員が企画・運営する教養講座を中心としてゼミ活動が行われます。課題探究活動において、自らの課題を設定し、調査、研究やグループ活動を進めている2年生ですが、この講座では興味関心の視野をさらに広げるとともに、学びの方法論を身に着けていくことをねらいとしています。さらに、本校教職員自身がこれまでワクワクしながら探究してきた事象を扱うことによって、興味関心から発する学びの楽しさ、喜びについて、生身の温度感をもって生徒たちに伝えることができるという効果もあると私は感じています。また今年の講座では本校の教職員だけではなく、京都大学の工業化学科の先生方にもオンラインによる講座を開講していただき、京都大学での学びの雰囲気を味わうとともに、高校での学びと先端技術開発がいかに結びついているかを知ってもらう機会が設けられています。
ところで平成25(2013)年度から令和元(2019)年度にかけて行われていた土曜授業がスタートする以前、本校では土曜日に補習講座を中心とした「尚学塾」が行われていました。「尚学塾」では補習講座のほかに、先生方が興味関心に基づく講座を開講し、それを生徒が選択することができるようになっていました。私も時々城下町松本をブラブラする講座(「ブラタモリ」のパクリ)を開講させていただきましたが、いつも10人前後の生徒の皆さんが選択してくれて、江戸期の絵図や戦前の市街図などを片手に城下町の痕跡巡りをするという楽しい時間を過ごしました。今回、「深志教養ゼミ」の様子をオンラインで拝見する中で、当時の「尚学塾」と同じ匂いを感じるとともに、「探究」の気風と伝統の存在を感じました。そして探究のおもしろさと深さを生徒に伝えていきたいという教員側の思いも感じました。