校長通信
ゆくて遥かに
校長通信

2024年1月5日

第281号 新年にあたって

 令和6年(2024年)が始動しました。元旦の「市民タイムス」に、辰年にちなんで本校の登龍門に係る話題を取り上げていただきました。新応援団長さんと副団長さんの登龍門前での笑顔の「とんぼのポーズ」も決まっていました。記事を拝読した際、今年もみんながこんな笑顔で過ごしたいものだと感じました。発行者様の許可をいただきましたので、記事を掲載させていただきます。

市民タイムス1月1日発行

 しかしながら、今年は新年早々の地震に驚かれたのではないかと存じます。そしてその後に次々と入ってくる能登地方の被害の大きさに、心を痛めた方も多かったのではないでしょうか。さらに翌日には羽田空港での事故のニュースが飛び込んできて、気持ちの沈むお正月になってしまいました。被災された方、事故に遭われた方々に、心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興と、平穏な生活に戻られますことをお祈り申し上げます。阪神淡路の震災の折も、東日本大震災の折も、最初に自分の感じた大きな揺れに驚き、その後テレビから飛び込んできた衝撃的な映像に驚くという経験をいたしましたが、日本に住んでいる以上、そうした経験は繰り返すのだと、そしてそれは決して他人ごとではないのだということをあらためて肝に銘じ、日頃の備えについて考え直しました。

 生徒の皆さんは、3年生にとっては共通テストを、1、2年生にとっては3学期の中間テストを控えていますので、しっかりお休みを楽しむというような余裕はなかったかもしれません。でも、少し楽しむことを我慢しながら準備してきた皆さんには、必ずその成果が表れるものと自分を信じて、共テ・中間テに前向きな気持ちで取り組んで欲しいと思います。もし自分が思うほどうまくいかなかったとしても、それで人生や将来が決まるわけではありません。結果ばかりを気にするのではなく、今の自分を精一杯に取り組む、そんな思いでいてくれたら嬉しいです。前述の登龍門について、記事中の岡田校長は「直面する困難のたびごとに、それを乗り越えるべき障壁であると理解し、起因となった失敗こそ自らの向上の起点であると認知し、その後踏破すべき過程を一歩一歩遡っていこう」との思いであったことを説明しています。つまり、岡田校長が登龍門に託した願いとは、世間一般に言われている「立身出世」ではなく、「うまくいかないことが発生したり、壁を感じたときこそ、直面する困難に向けて、悩み考え、少しずつでいいから乗り越えていこう」というエールであったと考えられています。私も同じエールを皆さんに送りたいと思いますし、職員一同、そしてきっと保護者や同窓生の皆さんも、そんな生徒の皆さんを応援していきたいと考えているに違いありません。心より応援しています。