第242号 3月中旬の深志高校
2年前の今井校長先生の校長通信にも登場しましたが、お彼岸の頃の深志高校に発生する現象をご存じでしょうか。日没の時間帯、昭和11年竣工の1棟西側の窓にまっすぐな西日が差し込むと、廊下を照らし出し、白い漆喰の廊下の壁に、まるで合わせ鏡を見るようなタイムトンネルを作り出すのを…。今から十年ほど前に勤務しているとき、そのことに初めて気づき、もしかしたらこの不思議な時間帯のこの現象に何らかのパスワードを唱えれば、戦前の時代や10年前くらいの時代にタイムトラベルできるのではないかと思い、誰もいない光に包まれた廊下にたたずんで、有也先生のご三訓を唱えてみたり、校歌の歌詞を唱えてみたことがあります。もしタイムトラベルできたら、狂人だと思われても逮捕されても構わないので、その後起こる戦災や震災のことを人々に伝えたいなんて、少し子供じみたことを感傷的に感じていた私でした。
3月17日(金)は後期選抜の合格発表でした。合格発表の風物詩といえば、発表前の5分間、應援團管理委員会の皆さんが、受検生に向けてエールを送るセレモニーです。合格発表を見に来た受検生にとっては発表までのカウントダウンでドキドキしている中でもあり、それどころではないかもしれませんが、こちらの迎え入れる意気込みを示すことは、意味のあることだと以前から感じていました。だからこそ、今年はマスクもつけず、激励のエールを受検生にお伝え出来たことは、日常が戻りつつあることを改めて感じさせた学校行事でもありました。
令和4年度の学びの改革支援課の事業である「高校アライアンス支援事業」として、今年も難関大学受験対策講座が3月4日(土)に松本深志高校で開催されました。この事業は深志高校進路係が企画した、難関大及び、医学科入試対策講座に、中南信地区各校の希望者に参加してもらうものです。講座には駿台予備校の英語及び数学の二人の講師にご来校いただき、1年生と2年生の2つの講座に、それぞれ午前または午後に3時間ずつ講義を行っていただくというスタイルで行われました。当日は深志高校の他、県ケ丘高校、諏訪清陵高校、伊那北高校、飯田高校から27名の1年生と、62名の2年生が参加し、講師が事前に用意したハイレベルなテキストをもとに、午前3時間、午後3時間の講義を受け続けるという経験をしました。問題の解法はもちろん、考え方のテクニックなど、予備校で難関大学を目指す学生と同じ授業を経験することで、知識や技能の習得に対する意識・意欲をより高めてもらうというのが狙いでもあります。夕方、6時間の講座が終わってもなお、質問の生徒が列をなし、なかなか解放されない講師の先生方でした。
深志高校音楽部OB・OG会である志音会の第16回演奏会が、3月19日(日)に松本市音文ホールで午後2時から開催されます。この演奏会に、本校からは音楽部合唱班の皆さんや顧問の松本純一郎先生も出演されます。コロナ禍の影響で3年ぶりに開催される演奏会です。コロナを乗り越えて、同窓生の皆さんも頑張っています。なお、塩野前校長先生もトランぺッター(在学中は吹奏楽部)として出演されますし、斯く言う私も合唱団員として出演予定です。(すなわち宣伝でした。ごめんなさい。)