第208号 生徒が学校をデザインする
「深志高校の自治とは何か」とか「他の学校にはない自主性は何か」といった問いが話題になることが多いと思います。4月からの生徒の活動を見る中で感じるのが、生徒自身が楽しい学校にしよう、安心できる学校にしよう、中学生にとって魅力的な学校にしたい、という思いにあふれていて、決して受け身ではなく、自分たちで動き出そうとしている点に着目できるのではないか、と私は感じています。コロナ禍における文化祭の構築や部活動の運営を自分たちで考え、顧問の先生方の助言や仲間たちの意見を受けとめて、試行錯誤しながら進めていこうとする姿もその一端でしょう。そうした活動の中で、最近私が直接関わった事例を紹介したいと思います。
本ホームページが生徒たちの手で作られ始めた経緯は、「生徒管理ページ 自治を叫びて」の中に記載されています。また、立ち上げにかかわった生徒たちのコメントは校長通信第152号に記載されていますので、ぜひそちらをご覧ください。そして、このホームページの管理運営は代々引き継がれ、現在は2年生の7名が手掛けています。このうち4名の生徒といろいろとお話をする中で、中学生への発信力を高めたいという願いのもとに、今度は主に中学生に配布する学校案内に生徒の意見を取り入れてはどうかという提案がなされました。この提案を担当の先生方にお伝えしたところ、先生方との共作により学校案内を創り上げるというプロジェクトを進めることとなりました。
先日行われたデザイン系、印刷系の業者の方々を加えた編集会議では、生徒の皆さんが考えたアイディアが次々と飛び出し、どうすれば深志高校の魅力をより効果的に伝えることができるかという議論が続いたということです。(参加されていた担当の先生談。)生徒ならではの発想と創造力、行動により、学校の魅力をデザインする。どのような学校案内が出来上がるのか、今からとても楽しみです。(ハードルを上げすぎていたらゴメンナサイ🙇、試行錯誤なのだから、うまくいかなかったときは、また考えましょう。)
一方、本校には学校と地域の課題を、地域、生徒、教員の三者で語り合って解決策を探究する地域交流委員会の活動があります。委員会では昨年度より、地域と学校の防災問題を考えていく中で、災害時に帰宅困難となった生徒に対し、学校には食料、水、簡易トイレ等が備蓄されていないという問題に気付きました。そこで、放送愛好会の皆さんと協力し、長野県教育委員会、他県の教育委員会等に取材した結果をもとに、今後に向けての提案を校長に示してくれました。私からは、生徒全体でこの課題を共有することができるよう、提案してくれた生徒たちにはお願いをしました。安心して生活を送ることのできる学校を創りたい、という意味で、この生徒たちもまた、学校のデザインに関わろうとしているということができるでしょう。
先ほど述べたように、文化祭準備や部活動の運営なども含め、いろいろなやり方で、そしていろいろな場面で生徒がデザインする学校になっていくことが、「深志の自治」と繋がるのではないかと考えていますし、ワクワクがとまらない学校になるような気がしています。