校長通信
ゆくて遥かに
校長通信

2022年5月11日

第202号 運動部活動、郷友会について

   【運動協議会各部の大会が始まりました】

 中信総体など、運動協議会所属各部の大会が始まっています。コロナのために、せっかく練習してきたにも関わらず参加できなくなる生徒の皆さんが出ませんようにと、祈りながら(冷や冷やしながら)毎日を過ごしています。一昨年は大会自体が開催されず、昨年も大会は開催されましたが、県内で参加できなくなったチームがあったことを聞きました。3年生の保護者の皆さんの中には、高体連の基本的には無観客で行うというガイドラインにより、ついに中信総体本番を見ることができないまま最後の大会となってしまった方も少なくないと思います。やむを得ない措置とはいえ、我が子を直接応援したいという気持ちに報いることができず、申し訳なく感じています。

 さて、大会に参加する以上、勝敗や、県大会に進めるかどうか、といったことはとても大事ですし、クローズアップされることになります。しかし各大会に臨んだ皆さんには、ここまでどの様な過程を歩んできたかということについても、ぜひ自分の中で着目してほしいと願っています。例えば勝敗では思うとおりにならなかったとしても、これまでの活動を振り返った時、仲間や自分に対して褒めてあげられることがたくさんあると思います。それらは自分たちの成果であり、誇りとしてください。逆に、後悔することがあったとすれば、将来に向けてどのように修正するか考えてみてはいかがでしょうか。一方、もし満足する結果が得られたとしても、それで良しとするのではなく、このことをこれからの生き方に対してどのように生かしていくかをあらためて考えてみることが大切になってくるのだと思いますが、いかがでしょうか。

 さあ、本番を迎えます。皆さんの健闘をお祈りしております。

4月30日 春季北信越大会中信地区予選一回戦  声は出さずメガホン拍手の応援が続きました。県大会出場決定おめでとうございます。

   【郷友会について】

 5月9日(月)の放課後に、一斉郷友会が開催されました。郷友会とは出身中学・地域ごとの集まりで、昭和においては強い結びつきを持つ校内の団体でした。具体的な活動としては、新入生の歓迎コンパ・歓迎行事、夜行軍やキャンプ、合唱コンクールでの有志発表、とんぼ祭への参加、卒業生のまくりだしコンパ等々、昭和の新入生にとっては春の歌練と同じくらい、驚きの経験として存在していたのではないでしょうか。生徒手帳を紐解くと、郷友会について次のような記述があります。

「旧制松中時代に松中生はその連帯感、協同意識などが非常に旺盛であり、その強烈な意識がいつとはなしに団体を自然発生的に形成したのである。」

 今日でも、興味関心を持ったテーマごとに連帯感、協同意識を持つ生徒たちが、自主ゼミを形成したり、新たに愛好会を立ち上げたりするのですが、当時は「地域としてのまとまり」の中に今では想像できないほどの強い共感と仲間意識が存在していたということでしょうか。現在のように交通機関が発達していない時代ですから、多くの生徒たちが親元を離れて生活をしていた状況を考えると、出身地ごとに強い絆が生まれてきたのも自然なことかもしれません。さらに生徒手帳では、意義、目的等、次のような記載があります。

○ 下級生が深志での生活を有意義に過ごせるよう、郷友会を同じくするものとして手助けする。

○ 諸行事を通して会員相互の親睦を深める。

○ 自分たちで考え、実行することによって自治の精神を向上させる。

○ 自由参加であり、いかなる場合も参加を強制してはならない。

 かつては、県内の他の高校でも本校の郷友会と同様の活動が行われていましたが、平成の時代には多くが実体のないものとなり、ほとんど姿を消しました。本校でもとんぼ祭での取り組みが郷友会活動の中心となっているようですが、徐々にその活動は弱体化していると言えるでしょう。社会環境、学校環境の変化をはじめ、様々な理由により郷友会に変化がもたらされたのだろうと思いますが、上記の意義と目的等の中で、一番目の項目がもっと本来の意味で機能していたとしたら、また違った郷友会の姿があったかもしれないと思うのは、昭和後期の高校生だった私の見解と反省です。ハラスメント的な要素や女性蔑視の状態のない、後輩を支援し育てる、そんな現代の価値観による郷友会が復活することを望んでいます。

一斉郷友会 「清流会」の会合の一コマ  ここでクイズです。
清流会とはどこの中学、地域の出身者の集まりでしょうか?
(答えは次号)