第328号 再び寒波到来
第327号でこの冬一番の寒波の話題を提示しましたが、今週再びの寒波に見舞われています。数年に一度の寒波だそうですが、県北部の皆様や日本海側の地域にお住いの皆様には、生活に影響する豪雪とのことで、心よりお見舞いを申し上げます。聞いたところによりますと、日本海の海水温がまだまだ高いため北西季節風に含まれる水蒸気量が増加し、多くの雪を降らせているとのこと。やはり温暖化の進行は、季節を問わず、これまでと異なる気象現象を引き起こしていることを感じさせます。とは言うものの、今期の冬においては、これまで松本市の最低気温が-10℃以下になったり、最高気温が0℃に満たない真冬日になったりしていないのではないでしょうか。そう言えばここ何年も松本城のお堀が凍る様子を見ていませんし、諏訪湖の御神渡りも出現していないようです。また幸いなことにカミ雪により交通障害が発生するということも今年はまだ起こっていません。数年に一度の寒波は、各地に豪雪をもたらしてはいますが、数年に一度の底冷えをもたらすには至っていない様子、とは言え自分自身は年々寒さが身に染みるようにはなってきておりますが…。しかし油断は禁物、卒業式や後期選抜にカミ雪が訪れないことを心から祈っています。昨年は大変でした。
3年生は現在私立大学の受験の真っ只中。雪の影響が心配されるところですが、ここまでのところ、災害の影響を受けたという情報は入ってきていません。連日奮闘されていることと思いますが、知らない土地での受験は心細さを感じているかもしれません。しかしその心細さも自立・独立のための第一歩だと思うのです。しっかりと大人の階段を踏みしめて登っていただきたいと思います。思い出話ですが、自分が高校3年生の2月、共通一次試験が思うように得点できず、気持ちが落ち込んでいる中で、初めて他県の地方都市での受験を経験しました。共テにより倍率3倍にまで絞られる書類選考を通っただけでもラッキー、一発逆転を狙って臨んだ受験でした。しかし、その旅には様々な試練が待ち構えていました。前日、上野駅から乗車した混んだ列車に人身事故があり、途中で停車したままの列車の中で2時間も立ち続けました。くたびれ果てた私は大学の下見をあきらめ、駅に降り立つとすぐ、その日の宿に向かいました。自分で旅行社に電話をかけて予約を取ったホテルは、なんとも高校生にとっては入りにくい景観で、入るに入れず周辺をウロウロ、急に心細くなったという記憶があります。しかし何とかそのホテルの門をくぐり、2泊の日程を乗り切った時、私は初めて独り立ちに向けて旅立つことができたことを実感しました。
さて、いよいよ25日には国公立二次試験の前期がスタートします。心細いこともあるかとは思いますが、全力を出し切るとともに、大きな経験、冒険を体験してきてください。また明日から1・2年生は学年末テストです。寒さに負けず乗り切っていきましょう。
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事務室前名物「公衆電話」とともに。電話の前に置いてあるのは使い方の説明書
【3月1週目は行事目白押し】
卒業式は3月4日(火)、3年生の皆様、ご準備はよろしいでしょうか。3月5日(水)の午前中は2年生の探究発表会。今週までの「総合的な探究の時間」で行われた相互評価で選出された6名が、1・2年生全員の前でプレゼンを行います。外部の関係の皆様には案内を出しておりますが、事前申込制となっていますので、観覧をご希望される方は学校(教頭)までご連絡ください。そして3月7日(金)の午前中は、「春の探究まつり2025」が開催されます。これは、県ケ丘高校、蟻ケ崎高校、そして深志高校の1年生全員が県ケ丘高校に集合し、学校をシャッフルしてグループに分かれ、探究ワークショップを行い、これから2年生で行う探究課題をブラッシュアップしていきます。他校の皆さんと切磋琢磨していく中で、自分の課題設定を再評価し、視野や方法論を広げることができるでしょうか。なお、この「春の~」のチラシを見た、某高校の校長先生は、「某パンメーカーのコピーと似てるね」とおっしゃっていました。多分それを狙っているのだと、私は思いますが。
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【図書委員会 青燈賞 表彰】
今年もまた、図書委員会が主催する青燈賞に多くの作品が応募され、過日その中から選ばれた優秀作品に対する表彰式が図書館で行われました。文芸部門で佳作となり、最優秀作品となったのが、ペンネーム:南雲すみさんの短編小説『山の忘れ物』、イラスト部門で最優秀作品となったのが、上條真菜さんの「せっかく晴れたので」でした。文芸部門で最優秀となった作品を読んで、まず初めに驚いたのは、作品全体が「です、ます」調で描かれているということです。そして穏やかで繊細な描写と大胆な心情の表現が混在するストーリーは、最後に自らの変身を予感させる場面へと辿りつきます。また作品に登場する俳句の季語に親子の暖かな愛情を託しており、写真に写った主人公の祖母のキャラクター、すなわち他者に対しては毅然とした厳しさを示しながらも愛情を求めていた姿を浮かび上がらせているように感じました。これ以上書くとネタバレになりますね。興味を持たれた生徒の皆さんはぜひ、『青燈』をお読みください。私も最優秀作品以外の作品をまだ読んでおりませんので、楽しみに読んでみたいと思います。
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