校長通信
ゆくて遥かに
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2023年9月25日

第267号 PTA研修会&とんぼ祭記念講演

 9月21日(木)午後は本校で「とんぼ祭記念講演」が、県総合教育センターで「中信地区PTA研修会」が、並行して開催されました。さらに同日には生徒会新役員の選挙ということで、諸々の行事が重なった一日となりました。「とんぼ祭記念講演」の歴史と開催日程に関しては、昨年掲載しました第223号の中で述べておりますので、ご参照ください。合同協議会の主催行事である「とんぼ祭記念講演」、運動協議会の主催行事である「全校クラスマッチ」が9月後半と10月初旬に位置付けられて、7月の「とんぼ祭」に始まり、「合唱コンクール」から2週間おきに続く今年度の生徒会全校行事が終結します。

  【とんぼ祭記念講演】

合同協議会長による開会あいさつ。全校が体育館に入っての講演会は4年ぶりです。(昨年は体育館と教室のハイブリッド)

 今年の記念講演は、小児科医として国境なき医師団日本に所属されている、南希成さん(県立こども病院)をお呼びいたしました。国境なき医師団(MSF)は皆さんもよくご存じの通り、非営利の医療ボランティアで、紛争や自然災害、貧困等で危機に直面する地域に医療スタッフや、衛生環境確保のためのスタッフを派遣する組織です。その組織の運営は世界42カ所に置かれた事務局により行われており、資金は全て寄付によりまかなわれています。また例えば紛争地域では、政府軍・反政府軍のいずれの組織の影響もうけず、独立して人道支援を行うという取り組みをなさっています。

国境なき医師団のTシャツを着てご講演をいただく南先生

 今回の講演では、南さんより、実際にナイジェリア及び南スーダンにおいて体験された医療ボランティアの様子をお話しいただきました。ナイジェリアと言えば、地理の授業ではアフリカ最大の人口国家で、産油国であること、言語・宗教・文化の異なる多民族よりなる国家で、1960年代後半のビアフラ内戦以降紛争が頻発していること、そのため首都も沿岸の最大都市アゴラから主要民族の中間点であるアブジャに移転したことなどが扱われます。また、南スーダンには、21世紀当初の長期にわたるスーダン内戦を経て2011年にスーダンから独立した国家ですが、今なお紛争が絶えない地域であることがニュース等で伝えられています。こうした地域において、どのようなボランティア活動が行われ、地域の人々とかかわりながらどのような暮らしがなされるのか、スライドの写真を交えて詳しくお話をいただきました。

 およそ約1時間のお話をいただきましたが、その後の質疑応答の時間帯において、全校生徒より続々と質問が投げかけられました。渡航費用や現地での生活費、防疫の対策方法、なぜ医療ボランティアに関わろうと思ったのか、渡航前と渡航後の印象の違いについて、送り出す側の姿勢等々・・・・。質問は30分ほど続きましたが、南さんからは丁寧にご回答をいただき、本編のお話からだけではわからなかった、ちょっと突っ込んだ内容までお話をいただきました。2年間の感染症によるブランクを経て昨年復活したこの講演会は、生徒自身の手で講師を選定・招聘し、企画運営される、自治による知の探究の場として、これからも継続していただきたいと改めて感じる行事となりました。

次々と出される質問は30分ほど続きました

  【中信地区高等学校PTA指導者研修会】

 この研修会は、中信地区各高校のPTAの役員等が集まり、PTA活動に関する発表を聞いたり、意見交換をしながら、今後のPTA活動に役立てていこうという研修会です。やはり感染症の影響で2年ほど参集で行われなかったところ、昨年より復活した行事です。本校からも井上博文PTA会長、教頭先生が参加し、他校のPTA役員の皆さんと情報交換をして参りました。そして今年は本校が中信地区高等学校PTA連合会の副会長でもあることから、本校におけるPTA活動の様子を井上会長より全体会でご報告をいただきました。主な発表内容としては、本校の概略に続き、3つの委員会の活動(編集委員会、研修委員会、調査統計委員会)について、多彩な部活動やクラブへの支援、尚学塾の共済事業、スクールカウンセリング支援などの教育活動への支援についてご報告いただいた上で、学年・学級・地区PTA活動や、一斉メールの運用、防災対策の実践などをご説明いただきました。井上会長、お忙しいところ、ありがとうございました。グループに分かれての情報交換では感染症後のPTA活動の進め方について、各校の様子をうかがうことができたとのことです。今後の活動の参考にしていただければと感じました。

総合教育センター講堂での発表会場の様子です
井上会長、アシスタントの教頭先生、お疲れさまでした。