校長通信
ゆくて遥かに
校長通信

2023年2月25日

第239号 2学年広島研修旅行報告(3)

 研修旅行においては、広島の4つの高校と学校交流を行いました。各高校では全面的にご協力をいただき、それぞれ担当者を配置していただいた上で、生徒同士のオンラインでの交流、さらには当日の広島での交流がスムーズに運ぶよう、ご手配をいただきました。この場をお借りしましてご高配を賜りましたことを心より御礼申し上げます。

 交流事業では、互いの学校で実施されている探究学習の交流を行ったり、お互いの県や学校における高校文化の違いや特徴を認識、理解する中で、交流を深めてきました。また当日互いを理解しあうためのゲームの工夫なども考えていた様子です。さらに、制服や規則の無い本校の生徒が実際に目の前に現れた時、相手はどんな風に感じるのだろうというようなテーマも校内では話題となっていた様子です。同じ日本人であっても、異なる文化と個性が触れ合うとき、そこで発生する化学反応を生徒自身が感じ取った1年間だったと思われます。

 また、そのようなご縁からか、今年は広島県教育長をはじめとした教育委員会事務局の皆様、さらには県立広島国泰寺高校の校長先生をはじめとした先生方が、本校に視察においで下さいました。このことについては校長通信第226号に掲載しておりますので、そちらをご参照ください。

 では、この学校交流の様子について寄せていただいた、3名の生徒の皆さんの感想や思い、そして、スーパーサイエンスハイスクールとして10年間頑張ってきている西条農業高校のパンフレットを以下に掲載したいと思います。

西条農業高校での体験学習
野外実習中

学校交流 ~~広島県立広島国泰寺高校と~~  2年1組旅行係 樋口 郁

 1・8組が交流した高校は、広島国泰寺高校です。同校は深志高校と同じ1870年代に設立された長い歴史をもつ学校です。そのような国泰寺高校との交流は旅行係が1年前から時間をかけて準備してきました。しかし、情報交換をしてきたのは私たち係だけだったので、皆が初対面の人と交流しても味気ないものになってしまうのではないかということが心配でしたが、それは杞憂に終わりました。

 最初にお互いの行っている探究について発表をしました。国泰寺高校は普通科コースと理数科コースに分かれていて、理数科コースの探究はグループで、より専門的なことを学んでいました。次に、チームに分かれてご当地クイズをしました。自分の県のことでも意外と知らないことが多く、学びのある楽しい時間になりました。そして最後に部活動の見学を行い、DNAの抽出実験など深志では見たことがないものを見せてもらいました。

 深志高校だけではできない経験ができたので、今後もこうした交流が続けられればいいと思いました。協力してくれた皆さん、本当にありがとう。

広島国泰寺高校での交流の様子

  学校交流 広島市立基町高校と        2年7組旅行係 青木花衣

 3日間の研修旅行で1番記憶に残っているのは、2日目午後の高校交流です。私たち3、7組の交流校は、広島市立基町高校。具体的内容はポスターセッションの見学とグループディスカッションです。見させていただいたのは探究学習をまとめたポスターで、90枚以上がズラッと体育館に展示されていて、私たちはそこを回ります。テーマに合わせてフォントや情報の配置が工夫されていて、見ても聞いても楽しい発表でした。興味のある発表を自由に質問できること、全員が同じ会場で発表できることにポスターセッションの魅力を感じました。

 グループディスカッションでは、4つのテーマ(「広島と長野とどっちに住みたい?」「あなたにとって平和とは?」「互いの高校を知ろう」「現代的課題解決の観点から自分の進路希望を論じなさい」)について、クラス、高校混合の1グループ10人、計16グループで話し合いました。担当者の個性溢れる進行で、どのグループも盛り上がっていました。

 住む場所の違う高校生が相手を訪問して対面で意見を交わせることは、言うのは簡単ですが、実行するのは容易なことではありませんでした。行くまではとても不安だったのですが、皆さんの力を借りてとても思い出に残る旅行になりました。有り難うございました。

ポスターセッション中
グループディスカッション中

   学校交流を通して ~広島市立舟入高校~  2年5組 旅行係 菅原 陵汰

 今回僕たち二組、五組は舟入高校と交流しました。舟入高校は深志高校とあらゆるところで違いが見えました。校風もそうですが、今回交流の主を担った探究も深志とは大きく異なりました。同じ公立高校でもいろいろ違いがあることをこの目で確認しただけでも交流をした価値があると思います。

 この交流を行うにあたって一年前から準備をしました。初めの頃は前例のない挑戦なので、係四人で頭を捻らせ、「教養を育む」をモットーに色々な案を出し合いました。自分たちで土台を作り、生徒を中心に当日どう進めたいのか試行錯誤する時間はとても新鮮でした。そして迎えた当日。念入りな準備のおかげで大きな失敗もなく進行することができました。初対面でも相手としっかりコミュニケーションを取れる、レールのない道を自分たちで切り拓く。これは、勉強以上に将来役に立つことだと思います。旅行係としてとても貴重な体験ができました。今回の活動の反省をもとに残りの学校生活を送りたいと思います。

生徒たちは様々な視点や興味・関心に基づいてこの研修旅行に臨みました。文字通り様々な学びと、体験と、感情を経験しながら松本に戻ってきました。この経験は彼らを一回りも二回りも成長させたことは間違いありません。特に今の2、3年生は本校での教育活動・学習活動においてコロナの影響を大きく受けた世代です。2年生は中学の時に修学旅行を経験することのできなかった学年でもあります。そうした閉塞感を打ち破ることができたという意味においても、今回の経験は大きな意義があったのだろうと思っています。そして探究学習、キャリア学習が生きる力を醸成するうえで大きな役割を果たすことを実感できた学年行事でもありました。

舟入高校ホールでの交流